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不動産コンシェルジュのブログ

「中古住宅の税制、正直ここが一番わかりにくい

2026-02-08 10:44:12
2026-02-08 10:52:27
目次

― 令和8年度税制改正を「普通の消費者」が使いこなすための完全整理 ―

「中古住宅が有利になりました」
「税制が拡充されました」

不動産会社のチラシや営業トークで、最近よく聞く言葉です。
ですが、制度の中身をきちんと説明されることは、ほぼありません。

なぜなら――
説明すると面倒だし、売りにくくなるケースが多いからです。

この記事では、
✔ 家を買う前の一般消費者
✔ 投資目的ではない“普通の生活者”

この立場に立って、
「結局、私は何を知っておけばいいのか?」
を徹底的に噛み砕いて説明します。

全宅連 「中古住宅 新時代へ」(PDF)


そもそも、なぜ「中古住宅の税制」がこんなに複雑なのか?

  • 新築住宅が余り始めている

  • 空き家が増え続けている

  • 人口は減るのに住宅は増えすぎている

つまり、

「新築ばかり売っている場合じゃない」

そこで国は、

  • ちゃんとした中古住宅

  • 性能の良い住宅

  • 長く使える住宅

を流通させたい。

そのための“アメ”が、今回の税制改正です。


【最重要】住宅ローン控除は「中古でも使える」が条件がある

よくある誤解

❌「中古住宅ならローン控除が使える」
⭕「一定条件を満たした中古住宅なら使える」

ここを勘違いすると、後で本気で後悔します。


住宅ローン控除の基本(超要点)

  • 年末ローン残高 × 0.7%

  • 最大13年間(中古は10年の場合あり)

  • 所得税・住民税から差し引き

ここまではよく聞きますよね。


問題は「どんな中古住宅か」

今回の改正で、国が明確に線を引いたのがここです。

控除が有利になる中古住宅

  • 長期優良住宅

  • 低炭素住宅

  • ZEH水準省エネ住宅

  • 省エネ基準適合住宅

控除が限定的 or 使えない可能性がある住宅

  • 築古で耐震基準を満たさない

  • 床面積が不足している

  • リフォーム前提だが証明が取れない

👉 「安い中古」ほど、税制は厳しくなる傾向
これが今回の改正の本質です。


床面積40㎡に緩和?それ、誰のため?

今回、話題になっているのが

床面積要件:50㎡ → 40㎡

一見すると、

「単身者に優しい!」
と思いますよね。

でも、冷静に考えてください

  • 40㎡前後の中古マンション

  • 都心・駅近

  • 価格は高い

  • 管理費・修繕積立金が重い

つまり、

買える人はもともと買える層

税制緩和=誰でも楽になる
ではありません。

むしろ、

  • ライフスタイルが変わったとき

  • 家族が増えたとき

  • 売却するとき

身動きが取りづらいサイズでもあります。


固定資産税の軽減は「一時的な安心」にすぎない

新築住宅の固定資産税1/2軽減

  • 戸建:3年間

  • マンション:5年間

これもよく

「固定資産税が安くなります!」
と言われます。

でも忘れないでください

  • 軽減が終わった後が「本当の税額」

  • マンションは管理費・修繕積立金も上がりやすい

  • 築年数とともに売却しにくくなる

税制は永遠に続くものではありません


低未利用地100万円控除は「使えたらラッキー」制度

相続した空き地・使っていない土地を売るときに、

譲渡所得から最大100万円控除

これは確かにありがたい制度です。

ただし、

  • 自治体の確認

  • 都市計画区域

  • 低未利用状態の証明

  • 所有期間5年以上

など、手続きと条件が多い

👉
「売れば自動的に100万円引かれる」
と思っている人は、ほぼ確実に間違っています。


消費者が絶対に意識すべき“考え方”

最後に、制度をどう使うかではなく、
どう考えるかをお伝えします。

家を探すとき、こう自問してください

  • この税制がなくなっても買うか?

  • 10年後もこの家に価値はあるか?

  • 売るとき、次の人は欲しがるか?

税制は判断材料の一部でしかありません。


まとめ|「制度を知っている人」だけが得をする時代

今回の税制改正は、

  • 中古住宅を後押しする

  • でも、質の低い住宅は淘汰する

という、非常に“シビア”な内容です。

不動産会社は売りたい。
国は政策を進めたい。

その間に立たされるのが、消費者です。

だからこそ、

「制度を理解している消費者」
になることが、最大の防御であり、最大の武器になります。

この記事を書いた人

raison d'être

不動産コンシェルジュ 大学卒業後、司法書士事務所および不動産会社にて実務を経験。平成12年に有限会社キートスエージェンシーを設立し、不動産売買仲介・不動産コンサルティング業を展開。 翌平成13年よりファイナンシャルプランナーとしての業務を開始し、現在は「独立系・中立の立場から」個人・法人双方の資産設計や財務戦略をサポートしています。 不動産とお金の両面から、最適な人生設計を提案する“トータルアドバイザー”として活動中です。 <資格> 法務大臣認証ADR機関 日本不動産仲裁機構 登録調停人候補者、CFP®(日本FP協会認定 J-90126303)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、宅地建物取引士、宅建マイスター、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、不動産キャリアパーソン、住宅ローンアドバイザー(5)第0601837号、少額短期保険募集人資格/損害保険募集人資格 <講師・役職歴> ・総合資格学院 非常勤講師(宅建講座・登録実務講習講師) ・東海地方の大学にて「資産運用講座」「相続講座」などを担当 ・(公社)愛知県宅地建物取引業協会 名西支部 副支部長(2012年度~) ・同協会 理事(2015年度~)、同協会 名西支部 評議員・幹事(2004~2011年度)