― 令和8年度税制改正を「普通の消費者」が使いこなすための完全整理 ―
「中古住宅が有利になりました」
「税制が拡充されました」
不動産会社のチラシや営業トークで、最近よく聞く言葉です。
ですが、制度の中身をきちんと説明されることは、ほぼありません。
なぜなら――
説明すると面倒だし、売りにくくなるケースが多いからです。
この記事では、
✔ 家を買う前の一般消費者
✔ 投資目的ではない“普通の生活者”
この立場に立って、
「結局、私は何を知っておけばいいのか?」
を徹底的に噛み砕いて説明します。
そもそも、なぜ「中古住宅の税制」がこんなに複雑なのか?
新築住宅が余り始めている
空き家が増え続けている
人口は減るのに住宅は増えすぎている
つまり、
「新築ばかり売っている場合じゃない」
そこで国は、
ちゃんとした中古住宅
性能の良い住宅
長く使える住宅
を流通させたい。
そのための“アメ”が、今回の税制改正です。
【最重要】住宅ローン控除は「中古でも使える」が条件がある
よくある誤解
❌「中古住宅ならローン控除が使える」
⭕「一定条件を満たした中古住宅なら使える」
ここを勘違いすると、後で本気で後悔します。
住宅ローン控除の基本(超要点)
年末ローン残高 × 0.7%
最大13年間(中古は10年の場合あり)
所得税・住民税から差し引き
ここまではよく聞きますよね。
問題は「どんな中古住宅か」
今回の改正で、国が明確に線を引いたのがここです。
控除が有利になる中古住宅
長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
控除が限定的 or 使えない可能性がある住宅
築古で耐震基準を満たさない
床面積が不足している
リフォーム前提だが証明が取れない
👉 「安い中古」ほど、税制は厳しくなる傾向
これが今回の改正の本質です。
床面積40㎡に緩和?それ、誰のため?
今回、話題になっているのが
床面積要件:50㎡ → 40㎡
一見すると、
「単身者に優しい!」
と思いますよね。
でも、冷静に考えてください
40㎡前後の中古マンション
都心・駅近
価格は高い
管理費・修繕積立金が重い
つまり、
買える人はもともと買える層
税制緩和=誰でも楽になる
ではありません。
むしろ、
ライフスタイルが変わったとき
家族が増えたとき
売却するとき
に身動きが取りづらいサイズでもあります。
固定資産税の軽減は「一時的な安心」にすぎない
新築住宅の固定資産税1/2軽減
戸建:3年間
マンション:5年間
これもよく
「固定資産税が安くなります!」
と言われます。
でも忘れないでください
軽減が終わった後が「本当の税額」
マンションは管理費・修繕積立金も上がりやすい
築年数とともに売却しにくくなる
税制は永遠に続くものではありません。
低未利用地100万円控除は「使えたらラッキー」制度
相続した空き地・使っていない土地を売るときに、
譲渡所得から最大100万円控除
これは確かにありがたい制度です。
ただし、
自治体の確認
都市計画区域
低未利用状態の証明
所有期間5年以上
など、手続きと条件が多い。
👉
「売れば自動的に100万円引かれる」
と思っている人は、ほぼ確実に間違っています。
消費者が絶対に意識すべき“考え方”
最後に、制度をどう使うかではなく、
どう考えるかをお伝えします。
家を探すとき、こう自問してください
この税制がなくなっても買うか?
10年後もこの家に価値はあるか?
売るとき、次の人は欲しがるか?
税制は判断材料の一部でしかありません。
まとめ|「制度を知っている人」だけが得をする時代
今回の税制改正は、
中古住宅を後押しする
でも、質の低い住宅は淘汰する
という、非常に“シビア”な内容です。
不動産会社は売りたい。
国は政策を進めたい。
その間に立たされるのが、消費者です。
だからこそ、
「制度を理解している消費者」
になることが、最大の防御であり、最大の武器になります。